Aちゃんと古い建物の中の古いトイレで話をしている。
トイレといってもバスタブのない広いバスルームのような所。
一つ窓があって、その向こうには紅葉し始めた桜の木が見える。
僕は彼女にお腹を出して見せて「一番太ってた時から…Kg減ったかなあ」
などとまだまだ付いている肉をつまんだりしながら、
その他あれこれ自分の近況をつらつらと話している。
「で、Aちゃんは最近どう?」と聞いてみたが、悪戯っぽい目をしてこちらを見るだけで
なかなか話そうとはしない。
彼女はもう何年も誰も使っていなさそうな年季の入った洋式便器の横にずっとしゃがんでいて、すぐ後ろの壁と便器の間で少し体を隠すようにして顔だけこちらを向けている。
そのうち年配の女性たちが三人ほどどやどやと入ってきて、少し慌ただしく青い上着かハッピのようなものをまとったりして何かの準備をしだしたので話はそこで終わった。