僕が子供の頃、父は大変怖かった。
僕がなにかやらかすと正座させられ口答えなどすると平手打ちが飛んできた。真正面に座りこちらを怖い顔で凝視している父を見ていると、時々不思議なことが起こった。父の姿が徐々に小さくなっていくのだ。目をつぶったり、脇に目をそらしたりすると父は元の大きさに戻っている。しかしそのまま見続けると再び彼は徐々に小さくなっていき、しまいには3,4センチほどの大きさになってしまう。この事は割と頻繁に起こっていたし、僕はまだ小さかったので不思議だと思いつつ誰にも話さなかった。ある時、ひとつの疑問が生じた。父が小さくなるということは周りの部屋も小さく見えるはずなのだ。父以外のもの、例えば部屋の広い範囲が見えているのだろうか?全体の視界はどうなっているのだろう?久しぶりに正座させられ睨まれた時にそのことを思い出して小さくなっていく父以外の見えるものに意識を向けてみた。小さい父の周りは彼の背景にあるもの以外はほとんど見えず、それ以外は暗く何もない空間だった。父はいつの間にか僕を正座させて叱ったり手を出すことをぱったりとやめた。その視野狭窄の出来事は父との間でしか起こったことはない。
<追記> この現象は、不思議の国のアリス症候群と思われる。
ウィキペディア「不思議の国のアリス症候群}
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8D%E6%80%9D%E8%AD%B0%E3%81%AE%E5%9B%BD%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%82%B9%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4
画家、徳永雅之の夢日記を中心としたブログです website https://www.tokunagamasayuki.com/ instagram www.instagram.com/masayuki_tokunaga_/
2014年9月28日日曜日
2014年3月11日火曜日
夢日記 裸で立ち話 2014/3/10
ひどい雨の中、僕はビルの屋上にいる。雨が染み込んだためかビルの壁が剥がれ落ちた。下に降りたいが外階段が見当たらない。そこにいた見知らぬ男は外壁を伝って降りようとしているが僕にはそういう危険を冒す気はない。そのうち下の階に行ける階段が見つかった。数メートル先に階段を下りている女性がいた。パフォーマンスをする女性アーティストらしい。とりあえず挨拶をした。くせ毛で長い黒髪はずぶ濡れ。長身で目鼻立ちがはっきりしたエキゾチックな雰囲気の女性で歳は僕と同じか少し若いくらいだろうか。そして彼女は裸だった。そういう僕も裸だ。お互いそれを気にもせず階段の広い踊り場のような所で和やかに立ち話。ビルの外壁がはがれ落ちた話をしたり彼女が前にタイかどこかの国での発表で大変だった話を聞いたりした。「なんだか温泉の中で話してるみたいですね」と言って笑う。
2014年2月3日月曜日
夢日記 建物の謎 2013/10/26
ビルの正面、中心部に巨大な緑色のパイプが鎮座している。僕はそれが気になっている。ビルの中を色々と調査していた男が何かを発見した。「これは☓☓を培養するためのものだ」そのビルには住んでる人たちもいるのだが誰もその秘密については知らず、普通に生活している。
夢日記 2013年4月1日 「飛ぶ女の絵」
僕がノートに描いたイラスト。海面すれすれを飛ぶ女性の絵で、ページを何枚か使って連続したシーンを描いている。ページの端っこに最近ビートルズは聴かなくなったという友人が「ディア・プルーデンスの気分になってるので」という言葉と、僕が描いた女性の少し後に、同じように飛んでいる女性が彼によって描き加えられていた。
夢日記 2007年7月11日 「黒い川」
暗い雨が降る日、僕は川越から車を走らせ家に帰っていた。がっちりとした鉄の骨格をまとった橋を渡る頃には青白い街灯の光が並んでいた。しばらく走ってから、なぜかまた川の向こうに行きたくなり、気づいた時には川岸に近いところに立っていた。橋は無かった。びたびたと降る大粒の雨の音は密になり、言いようの無い音の塊となって僕を囲んでいる。目の前に流れている川は一つの街が隠れるくらいの幅になってしまっていた。普段よりずっと遠くに街の灯りがこうこうとしていて、橋を飲み込んでしまった黒い川を照らしていた。僕は飽きもせずにそれをぼんやり見ていたが「ここにいては危ない」と自分の中の声が言ったので車に引き返す事にした。
夢日記 2002年4月17日 「へんないきもの」
田舎道を歩いていると、道から一メートルほど低くなっている赤土の空き地に変な生き物がいた。巨大なサンショウウオのような色と質感。手足はあるのかないのか解らない。二匹もいる。写真を撮った。変だ。変だ。そこに農家のおばあさんがやってきた。おばあさんは赤土の窪みを降りていって生き物になにやら話しかけたと思うと自分の服をめくりだした。「私がやらにゃ、お腹をすかせるから、こうやって血をあげるのさ」僕に向かってこう言ってる側からおばあちゃんはまとわりついた二匹の生き物に血を吸われている。何だか見てはいけないものを見てしまったような気持ちになり、そこを去った。
夢日記 1995年9月1日 「変わった楽器」
陶器で出来た初めて見る楽器は幅15cmに満たない厚みのない箱のような形。白く、滑らかな表面には植物をあしらった意匠が施されている。上部には箱の幅とぴったりの立方体が7、8個並んでいてそれを上に引っ張ると和音が出る。立方体は紐かワイヤーで本体と繋がっている。左から順に引っ張ると有名なクラシックのフレーズが奏でられるようになっているが ある順番で引っ張るとどこかの国の民謡か、大衆歌謡の曲を奏でることが出来る。