東北にある美術大学で屋外展示のイベントが始まったばかりなので展示会場の山に行ってみた。
布をハンガー状のパイプに垂らした大きな作品が並んでいて、川にかかる橋の両側に展示されている。
布地の白に黄緑やオレンジ、ブルーなど蛍光色に近いような明るい配色。光が透過して美しい。
沢山の人が関わったプロジェクトらしかった。
その橋を渡ったところに、丸太を使った作品があった。
岸から川に向かって伸びた丸太の橋は、途中から川に浸かっていて、その上を歩いてゆくことが出来るらしい。
丸太の橋を歩いてみた。途中から先に進むには水の中に入らなければならない。 「気持よく中に入るには靴下を脱ぐべきだな」
隣りにいた女子学生の顔を見て、そう言いながら僕は靴下を脱ぎ、水の中に入っていった。
その女の子も靴下を脱いで水の中に入った。
天気のせいなのか、周りが木々に覆われているせいなのか、外は薄暗い。
まだ幼児の男の子が岸から10メートルほど先に居て、川の中で腹ばいになり、その先をじっと見ている。
彼の近くまで歩き、そっと追い越した僕に彼は気づいた。
溺れてはいけないと思い、その子を岸に連れて行った。再び橋を渡り、川に入った。
そして僕はさっきの男の子のようにじっと水を見ていた。川は波も立たず、とても静かだ。
川の中にテーブルがあり、沢山の人がテーブルを囲んでいる。
僕の隣には友人がいる。代表者は僕とは一番離れたところにいて、
これから飲み物を注文するので何がほしいかと、その場にいる僕らに聞いている。
これから水に浸かった状態で会議か、パーティがあるらしいのだ。
友人に向かって、「これならトイレに行きたくなってもそのまましちゃえばいいよね」
という冗談を言おうとしたが、やっぱり言わないことにした。
2015年11月14日土曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿