アマナがさいたまのビルの一階でクロッキーのレクチャーをやっていたので、覗いて見た。部屋は暗く、二箇所に大きな鏡が貼ってある。手前の方では立てた鏡の前で馬の首に見立てた、銀色というかメタリックなテープを絡めて作ったようなオブジェを数人が動かしている。奥では舞踏会にでも出そうなドレスを着たアマナが、タップダンスを踊るように、実にリズミカルに足を動かして馬が小走りに歩いている様を表現していた。スポットが彼女の足元に当たっている。バラバラに演じている首と前足を、それぞれ奥中央の壁に投影して一つの画面にしているようなのだ。僕は会場にそっと入り、彼女に気づかれないようにそれを見ている。演技が終わり、ドレス姿のアマナが隅から出てきて、満面の笑顔に照明が当たった。そこにいる人たちの集中力にも感心しながら、そのアイデア満載の教室が素晴らしすぎて、軽くショックを受ける。
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