2011年2月12日土曜日

覗いていた子




サッシを閉めようとしたら外からこちらをじっと覗いている子がいた。
僕は本当にびっくりしてうろたえたのだが、その子は表情一つ変えずこちらをじっと見ていた。
小学生くらいの男の子だったが、童顔の大人の女性のような顔でもあった。
外は真っ暗な茶畑。こちらの明かりで彼の顔と真っ赤な服がことさら鮮明に見えた。
取り繕うように「こんにちは」と声をかけた時には、その子はもうそこに居なかった。