尿意を催し、トイレに入った。
扉を開け、左側が男性トイレ。ドアを開けたすぐのところに太く丸い柱がある。古代ギリシャ建築の柱のように溝彫りが施されていて、男性用小便器の形をしていないものの、そこで用を足す用になっているのだ。柱の奥はまだまだ広そうな気配だが、僕の視野には全く奥の空間は入っていない。
控えめなピンク系の柱と壁の腰板。柱のカーブのドアよりのあたりが小便をするスポットの様なのだが、その場所は入ってくる人の導線上にあり、そこに僕が立つとぶつかる恐れがある。そもそもその位置はドアの外からも丸見えなのだ。半分以上は壁に埋まっている柱の、中心より右側あたりが僕にとってのギリギリの妥協点。ここなら柱の陰になり、ドアの外や、入ってきて右側の女性トイレに入る人たちの視線を外れることが出来る。
それにしてもこのトイレの設計は間違っている。頭の中にドアと柱の平面図をイメージしながら落ち着かない気持ちでそこに立った。
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